2022/05/19

ハイフローネーザルカニューラ(HFNC)治療の成功予測因子(SpO2/FiO2 ratio=170.9)

Pulse oximetric saturation to fraction of inspired oxygen (SpO 2/FIO 2) ratio 24 hours after high-flow nasal cannula (HFNC) initiation is a good predictor of HFNC therapy in patients with acute exacerbation of interstitial lung disease

Ther Adv Respir Dis (IF: 4.03; Q2). Jan-Dec 2020;14:1753466620906327.


【背景】
ハイフローネーザルカニューラ(HFNC)による酸素療法は、呼吸不全患者の呼吸管理に有効である。しかし、間質性肺疾患の急性増悪(AE-ILD)患者においてHFNCが有効で忍容性があるかは明らかになっていない。
目的は、AE-ILD患者におけるHFNCの有効性と忍容性の評価をすることと、HFNCのアウトカムの早期予測因子を同定する事。

【方法】
HFNCを行ったAE-ILD患者を後方視的に収集。
全体の生存率、HFNCの成功率、有害事象、治療の一時中断、患者の希望による治療の中止、HFNCのアウトカムの予測因子を評価。

【結果】
66人の患者を評価。26人の患者(39.4%)が酸素化改善を示し、HFNCから離脱できた。
30日間後の生存率は48.5%。
患者希望による中断は無く、重度の有害事象も生じなかった。
HFNCを開始して、24時間後のSpO2と吸入酸素濃度の比(SpO2/FIO2 ratio) は、HFNCの成功を正確に予測する因子であった(AUC 0.802)
多変量ロジスティック回帰分析にて、HFNC開始24時間後のSpO2/FIO2 ratioが170.9が治療成功と関連していた(OR51.3、95%CI:6.13-430、p<.001)

【考察】
HFNCはAE-ILD患者に忍容性があり、呼吸管理に有効な手段であることを示唆した。
HFNC開始24時間後のSpO2/FiO2 ratioがHFNC治療成功を予測する良い予測因子であった。