2022/05/03

ILDのフレイル罹患率:死亡リスク上昇と関連(OR4.14)

Prevalence and prognostic impact of physical frailty in interstitial lung disease: A prospective cohort study

Respirology (IF: 6.42; Q1). 2021 Jul;26(7):683-689. 


【背景】
身体的フレイルは高齢者の死亡率と入院率の上昇と関連している。
線維性間質性肺疾患(ILD)患者において、身体的フレイルの有病率と予後への影響を検討した。

【方法】
McMaster UniversityのILDプログラムに参加しているILD患者を2015年11月から2020年3月までフォロー。
ベースラインデータのfriedらのフレイル基準(modified Fried physical frailty criteria)を使用して、患者を分類:フレイル無し(スコア=0)、プレフレイル(スコア=1-2)、フレイル(スコア3-5)

身体フレイルと死亡率の関係を、年齢、性別、肺機能、 ILD Gender-Age-Physiology (ILD-GAP) scoreで補正して、生存期間解析(Time to event models)を用いて解析。

【結果】
463人の患者が対象(55%男性、平均年齢68歳);ノンフレイル82人(18%)、プレフレイル123人(56%)、フレイル123人(26%)。
ILDのうち、最も多かったのはIPF(n=183、40%)、結合組織関連ILD(n=79、17%)。
診断からイベント発生までの期間は、平均2.7±4.6年。
フォロー期間の中央値1.71年で56人が死亡。
フレイルとプレフレイルはベースラインでノンフレイルと比べ死亡リスクが高かった。(adjusted hazard ratio [aHR] 4.14, 95% CI 1.27-13.5 for pre-frail and aHR 4.41, 95% CI 1.29-15.1 for frail).

【考察】
身体的フレイルはILD患者で罹患されており、死亡リスクの情報と独立して関連していた。
身体的フレイルの評価は、ILD-GAPスコアのようなリスクスコアとして、予後予測に新たな情報を提供し、介入の新たなターゲットとなるかもしれない。

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