2022/04/02

GAP indexに6MWDや動作時低酸素を加えると、予後予測精度向上

Derivation and validation of a simple multidimensional index incorporating exercise capacity parameters for survival prediction in idiopathic pulmonary fibrosis

Thorax (IF: 9.14; Q1). 2022 Mar 24;thoraxjnl-2021-218440.


【背景】
GAP indexはIPF患者の予後予測モデルとして簡単に用いることができる。GAP indexは、6MWDや動作時低酸素などの運動パラメーターが含まれていない。
GAPindexに6MWDと動作時低酸素を加えた場合、IPFの生存予測を改善するかを検討した。

【方法】
三次紹介医療センターのIPF患者。
オリジナルのGAP indexで患者を評価。
コホート患者は、ランダムにGAP indexに6MWDを加えたグループと低酸素を加えたグループに分けられ、導入(derivation)と妥当性(validation)を評価した。
識別力の強い方を最終モデルとして採用。
このモデルの適用は、地理的に異なる別のコホートで評価された。

【結果】
562人のIPF患者が内部コホートに参加。
オリジナルGAP indexはC統計量で0.676であり、過大評価のリスクがあると評価された。
6WMDと動作時低酸素は死亡の強い予測因子であった。
これらの変数をGAP indexに加えると、著明に識別力が向上した。
運動パラメーターを加えた改訂版では、高い内的妥当性(Internal validation)と、外的妥当性(External validation)を示した。

【考察】
運動パラメーターをオリジナルのGAP indexに加えると、ベースラインのポイントでのIPF患者の予後予測を良好なものにするかもしれない。

GAP indexとは?・・IPF患者の重症度分類

・6MWDは先行研究より、最も良く生存を予測していた250mをカットオフとした。
250mを下回ると、1年後の死亡リスクが2倍に増える。
・動作時低酸素の定義は、酸素処方されている(IPFが要因で、重度の安静時低酸素もしくは動作時低酸素に関わらず)、もしくはルームエアの6MWTでSpO2<88%.