A multimodal rehabilitation program for patients with ICU acquired weakness improves ventilator weaning and discharge home
J Crit Care (IF: 2.783). 2018 Oct;47:204-210.
<目的>
multimodal rehabilitation program(MRP)と通常ケア(UC)を行ったグループと通常ケアのみのグループで、
1)身体機能、筋力、持久力
2)人工呼吸器からの離脱(ウィーニング)と遷延した呼吸器管理によって生じたICUAWの患者の退院時の状況
を比較すること
<方法>
呼吸器管理を行っており、ICUAWを呈した中高齢者に、個別にMRP+UCもしくはUCをランダムに提供。
アウトカムは筋力、活動性、ウィーニング成功、急性期病院長期入院から自宅へ退院したか
<結果>
14日以上呼吸器管理をしていた患者、男性18人、女性14人(平均年齢60.3歳)が対象
グループ間で握力、歩行速度、SPPB or 6MWDの変化は両グループで差は無かったが、MRP+UCグループでウィーニング成功率が高かった(87% vs. 41%, p < 0.01)
自宅退院がUCより多かった(53%vs12% p=0.05)
ウィーニングに成功したもしくは、自宅退院した患者を基に、事後解析(Post hoc analyses)を行うと、筋力、歩行、可動性が著明に改善していた。
<考察>
長期入院しており、ICUAWを呈している患者に、MRPを追加すると、筋力、身体機能、可動性が、通常理学療法と比較して改善しており、UC単独よりもウィーニングの成功、自宅退院と関連していた。
・患者特性
採用基準:
ICUAWを呈した50歳以上で入院時人工呼吸管理がされており、長期入院となっている患者
気切、14日以上人工呼吸管理、1日6時間以上の人工呼吸管理が14日以上必要、MRPプログラムに参加可能、入院前B.I>70点、
除外基準:心不全stage5やCOPD増悪、喘息発作、治療できない感染症
認知機能低下(Montreal Cognitive Assessment≦20)
重度の機能障害、神経筋障害(脊損、パーキンソン、股関節骨折等)
・評価項目
握力、SPPB、4m歩行速度、6MWD、MMT、ベッドサイドADL
2週間ごとに評価
・Multimodal rehabilitation program
患者の状態をベッドサイド、端座位、歩行に分類
分類ごとに決められたプログラムを実施
より高い活動性や筋力向上、耐久性向上を目標に作成されたもの
MRPセッションは、45-60分、3回/週(UC、作業療法、レクレーションとは別の日)
それぞれのPTセッションで、mBorg3-5となるように強度や種類を調整
Bed dependent:座位や立位への姿勢変化で最小介助が必要
Cheir dependent:立位保持、バランス、歩行前の活動に最小介助が必要
Ambulation:最小介助で25feets(約7m)歩行可能
全てのグループで、上下肢のサイクリングでの有酸素運動を負荷をつけて20分実施
【通常ケア】
基本的なリハビリ。
強度、努力、疲労感、動作や持久性の質を考慮せず運動を実施。
座位バランス、起立、移乗、筋力訓練を含むが、運動効果をえるために漸増するわけではない。
SpO2 >92%を維持するように酸素吸入を必要であれば実施
握力や歩行速度、SPPBなどがウィーニング成功した群では有意に改善していた。
自宅退院と身体機能の変化の関連では、ベッドから起立できるがが最も影響していた(OR 2.23、p=0.01)