Thorax (IF: 9.64). 2017 Jul;72(7):610-619.
<背景>
間質性肺疾患(ILD)患者の運動療法の効果に関しては、明確になっていない。
目的は、異なる重症度、病態のILD患者に対する運動療法の影響を検討すること。
<方法>
142人のILD患者が対象(61人IPF、22人石綿肺、23人結合組織疾患関連(CTD-ILD)、36人その他)
ランダムに8週間の監視下運動療法か通常ケアに分けた。
評価は、6MWD、CRDQ、SGRQ-I(IPF特異的SGRQ)、修正MRC、
評価タイミングは、ベースライン、9週後、6か月後。
<結果>
運動療法は、6MWD(25 m, 95% CI 2 to 47 m)、QOLの改善を認めた。
CTD-ILDと比較して、石綿肺とIPFにおいて6MWD、CRDQ、SGRQ-I、息切れの大きな改善を認めたが、サブグループ間ではいくつかの著明な変化であった。
CTD-ILDにおいて、6か月後に効果は減少していた。
ベースラインで6MWDが短いことと、症状が強いことは、トレーニングによって6MWDと症状の大きな改善と関連していた。
大きな効果は、介入中に運動処方を漸増できた患者で見られた。
6か月後、6MWDと症状の改善を維持することは、ベースラインで肺機能が良く、肺高血圧が無いことと関連していた。
<考察>
運動療法は、ILD患者で認められ、特に石綿肺とIPFで臨床的に有意な改善を認めた。
運動負荷を漸増すると、大きな改善が得られ、より軽症患者では効果を維持できていた。