Prevalence of diaphragm dysfunction in patients with interstitial lung disease (ILD): The role of diaphragmatic ultrasound
Respir Med (IF: 3.42; Q2). 2023 Sep:216:107293.
【背景】
横隔膜超音波は重症患者において広く用いられているが、ILDの外来患者のデータは限られている。
IPFや膠原病関連ILD患者の超音波で評価した横隔膜機能は、健常者と比べて障害されていると仮説を立てた。
さらに、この機能障害は臨床的、機能的パラメーターに影響するとも考えられた。
【方法】
CTD-ILD患者とIPF患者をリクルート。
横隔膜変位(DD)、吸気時の厚み(Ti)、呼気時の厚み(Te)、thickening fraction(吸気時の厚みの変化? TF)、呼吸機能パラメーターを測定。
横隔膜機能障害(TF<30%)の有病率を記録した。
【結果】
82例(CTD-ILD41例、IPF41例)と年齢、性別をマッチさせた健常者が対象。
82例中24例(29%)が横隔膜機能障害を有していた。
CTD-ILDにおいて、DDとTiはIPFと比べて低かった(p = 0.021 and p = 0.036)
横隔膜機能障害は健常者と比べても有病率は高かった(37% vs 7%, p = 0.043)。
TFはCTD-ILDグループにおいて、呼吸機能と正の相関を認めたが、IPFでは見られなかった。
横隔膜機能障害は、CTD-ILDとIPFにおいて、中等度から重度の息切れと関連していた(p = 0.021).
【考察】
ILD患者の29%が横隔膜機能障害を有しており、中等度から重度の息切れと関連していた。
CTD-ILD患者は、IPF患者と比べてDDがより低く、健常者と比べて横隔膜機能障害の有病率は高かった。
TFは、CTD-ILDにおいてのみ肺機能と関連しており、包括的な患者評価において潜在的役割がある可能性を示唆した。