2024/12/16

COVID-19感染後の息切れに横隔膜筋力低下が関連するかもしれない

Diaphragm Muscle Weakness Might Explain Exertional Dyspnea 15 Months after Hospitalization for COVID-19

Am J Respir Crit Care Med. 2023 Jan 3;207(8):1012–1021. 


【背景】
循環機能、呼吸機能が正常にも関わらず、急性COVID-19感染後の息切れ症状はしばしば持続している。
目的は、COVID-19感染後の横隔膜筋力と動作時息切れとの関連について検討すること。

【方法】
50人のCOVID-19で入院したことのある患者が対象(女性14例、年齢58歳)
人工呼吸器装着やICU以外での治療を行なった患者を含む。
評価は、呼吸機能、6MWT、心エコー、横隔膜神経根の頸部磁気刺激後のけいれん経横隔膜圧、横隔膜エコー
横隔膜機能は、健常コントロールグループと比較

【結果】
退院15ヶ月後の中等度から重度の息切れを感じている患者は、2/3に及んでいた。
肺機能や心エコーで異常は認めなかった。
横隔膜圧は健常者と比べて、COVIDで入院したことのある患者の方が障害されており、疾患重症度とは独立していた。
横隔膜圧と動作時息切れの重症度は関連を認めた(p=0.03)。

【考察】
横隔膜筋力は、人工呼吸器を必要としないCOVIDで入院した患者において、15ヶ月経過しても残存していた。
この筋力低下は動作時息切れと関連していた。
この研究では、心機能や肺機能が正常なCOVID19後の患者における息切れの症状と横隔膜筋力低下が関連していたことを示した。