2024/06/11

オキシマイザーによる酸素投与は運動持続時間、SpO2を(わずかに)改善

A randomized cross-over trial on the direct effects of oxygen supplementation therapy using different devices on cycle endurance in hypoxemic patients with Interstitial Lung Disease

PLoS One (IF: 3.24; Q2). 2018 Dec 28;13(12):e0209069.


【背景】
ILD患者は、運動耐容能が低下が主な特徴であり、息切れや重度の低酸素血症が関連している。
酸素療法は運動中に行われることが多い。オキシマイザーは、リザーバー付きのカニューラであり、より高濃度の酸素を供給できる可能性がある。

目的は、定常負荷試験中のILD患者において、通常のカニューラオキシマイザーを比較し、酸素供給デバイスによる効果を検証すること。
時間ごとのSpO2と息切れ、心拍数を評価すること。

【方法】
長期酸素療法を行っているILD患者24例が対象
最大負荷の70%での定常負荷試験を4回実施(オキシマイザーで2回、カニューラで2回)

【結果】
21人の患者がすべての定常負荷試験を終了
運動持続時間は、オキシマイザーの方が有意に長かった(718秒vs680秒)
時間ごとのSpO2もオキシマイザーの方が有意に高かった(85.5%vs82.8%)
21人中15人がオキシマイザーの方がより長く運動できた。
息切れ、心拍数は、デバイスによる違いは無かった。

【考察】
オキシマイザーによる酸素供給は、カニューラと比べて運動持続時間、SpO2は有意に改善したが、わずかな改善であった。
オキシマイザー ペンダントタイプ
・安静時or動作時に2L/min以上の酸素投与を行っている。
・酸素投与量は、個別の酸素投与量を採用(2-6L/min)。平均すると4L/minだった。

・対象属性:%VC 55.4%、%DLCO 20.1%