2024/06/11

抗がん剤治療中の運動は安全に行える。

Aerobic exercise during chemotherapy infusion for cancer treatment: a novel randomised crossover safety and feasibility trial

Support Care Cancer (IF: 3.6; Q3). 2020 Feb;28(2):625-632.


【目的】
運動は、がんと診断された患者にとって強力な補助療法であり、疲労感や健康関連QOLの改善と治療副作用の軽減が得られる。
近年、化学療法点滴中に運動を行うことについて予備的なエビデンスが示唆されており、灌流が強化され、薬物送達が改善され、低酸素微小環境が緩和される可能性がある。
目的は、化学療法点滴中の患者に対して、有酸素運動を行うことの安全性や実現可能性について検討すること。

【方法】
成人(18-60歳)で非吸着性がん治療薬を投与している患者を対象にしたランダム化クロスオーバー試験。
患者は、通常ケアと監視下での低強度サイクリングを20分行う群にランダムに分類された。

【結果】
65%の患者が参加に同意し、運動は有害事象なく安全に実施された。
運動と通常ケアにおいて、患者報告の困難さや快適さのレベルに著明な違いは無かったが、運動は倦怠感を有意に軽減させた。
どちらの介入も経験した症状に有意差は認めなかった。

【考察】
化学療法点滴中の運動は、安全で実現可能であった。
今後の研究で大規模なサンプルサイズでの検討や腫瘍灌流、経験した症状、身体活動向上のきっかけへの影響について検討が必要である。