Asia Pac J Oncol Nurs (IF: 2.51; Q1). 2018 Oct-Dec;5(4):377-382.
【目的】
急性疾患でわずか1週間入院した高齢患者において、機能障害が新たに生じたり悪化する。
がん悪液質のある高齢がん患者は、機能障害を生じやすい。
この研究の目的は、化学療法で入院した高齢がん患者の身体活動(PA)を測定し、入院と悪液質の影響を調べる事。
【方法】
70歳以上の非小細胞肺がん患者、初回化学療法で入院した18例。
PAはライフコーダを使用。
ベースライン、入院中、退院後毎週(1,2,3週)の歩数を比較。
【結果】
計30回の化学療法による入院で評価。
平均年齢74.5歳
ベースラインの歩数は中央値3756歩
15例は、入院中に歩数が減少し、退院後1週間でベースラインまで回復していなかった。
8日以上の長期入院と悪液質の罹患は、身体不活動の持続と関連していた。
1人の患者は、入院後30日以内に機能障害が進行した。
【考察】
身体不活動は化学療法で入院した非小細胞肺がん患者によくみられる。
長期入院と悪液質の存在は、身体不活動からの回復が遅い要因となっていた。
患者の年齢やがん悪液質の存在を考慮し、個別に入院計画を慎重に検討し、身体不活動や機能障害を予防する必要がある。