Cancer Med (IF: 4.45; Q2). 2023 Feb;12(3):2818-2830.
【背景】
全身炎症と握力低下は多くのがんにおいて死亡率を予測する。
本研究の目的は、炎症指標と握力低下の共存が、PS良好な肺がん患者の生存率と関連しているかを評価した。
【方法】
握力と4つの炎症指標のカットオフ値は、Maxstatを用いて計算した。
時間依存ROC曲線とC-ondexを、肺がん患者の生存率を予測する最適な炎症指標を選択するために使用した。
Cox比例ハザード回帰モデルで、死亡率のHRを算出。
カプランマイヤー曲線にて、肺がん患者の生存と指標の関連を評価した
【結果】
1951例の患者、平均年齢60.6歳、66.6%男性
PS良好な肺がん患者の死亡リスク増加と関連していたのは、
握力低下(HR1.49)
advanced lung cancer inflammation index (ALI)が低い(HR2.05)
systemic immune-inflammation index (SII)が高い(HR1.91)
血小板:リンパ球比(PLR)が高い(HR1.60)
好中球:リンパ球比(NLR)が高い(HR2.01)
ALIは、他の3つの複合指標よりも、肺がん患者の生存を予測し、C-indexが良好であった(0.624)
握力低下とALIの共存は、肺がん患者の死亡リスクを2倍にした(HR2.44)
【考察】
PS良好な肺がん患者において、握力低下とALI低下があると予後不良であった
advanced lung cancer inflammation index (ALI)
肺がん予後予測指標の一つ。
BMI×アルブミン/NLRで算出。
参考↓