Clin Respir J (IF: 2.57; Q3). 2021 Mar;15(3):336-344.
【背景】
急性増悪(AE)は、特発性肺線維症(IPF)の急性呼吸不全により生命を脅かす状態として認識されている。
AEは、IPF以外の間質性肺炎(IIPs)のタイプとして、線維性間質性肺疾患(ILD)でも存在し、ILDは、膠原病関連や慢性過敏性肺炎などに関連したILDでも存在する。
しかし、AE後の臨床的影響に関しては明らかになっていない。
【方法】
2002年から2016年の間に、初回のILD急性増悪の174例を後方視的に探索。
AEは、改訂された基準と、2016年の国際ワーキンググループによる診断基準によって定義された。
臨床特性、90日後生存率、AE後長期酸素(LTOT)の必要をILD毎に評価した。
【結果】
102例のAE-IPF、72例のIPF以外のAE-ILD(non IPF IIPs29例、二次性(CVD、CHP)ILD43例)が対象。
CVD-ILDのうち、リウマチが最も多かった(17例)。
AE後の90日後死亡率:IPF57%、non-IPF IIPs33%。
AE後、IPF以外のILDは、IPFよりも生存率が高かった (P < 0.001).
生存者の中で、LTOTの必要な割合:IPF63%、non-IPF IIPs35%、二次性ILD46%。
【考察】
IPF以外のAE-ILDは、AE-IPFよりも予後が良かった。しかし、どちらも、慢性呼吸不全による致命的なコンディション不良が生じる。