2023/07/31

SPPB 呼吸リハでの反応性(COPD) 5STS2.19-6.33s、summary score 1point.

Short Physical Performance Battery: Response to Pulmonary Rehabilitation and Minimal Important Difference Estimates in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease

Arch Phys Med Rehabil (IF: 3.97; Q2). 2021 Dec;102(12):2377-2384.e5.


【目的】
COPD患者において、SPPBの呼吸リハプログラムの反応性を検討し、MIDs(minimal important differences)を推定する事。

【方法】
後方視研究。distribution、anchorベース法を使用。
オランダの呼吸リハセンターで、入院8週間or外来14週間、包括的な40セッションを実施
ベースラインとPR後にSPPBを測定。アンカーに6MWT、CATを使用。
SPPBスコアによって、患者を低パフォーマンス、中パフォーマンス、高パフォーマンスに分類。

【結果】
632例のCOPDが参加(年齢65歳、男性50%、%FEV1.0 43%)
5STS(∆=-1.14 [-4.20 to -0.93]s)とSPPB合計スコア(∆=1 [0-2] points)はPR後に改善。
ベースラインで低パフォーマンスであった患者は、タンデム立位、4mGSも同様に改善。
distribution-basedで算出したMIDは、5STSで2.19-6.33秒SPPB合計スコアは0.83-0.96点

【考察】
5STSとSPPB合計スコアはPR後の反応性を示した。
タンデム立位と4mGSは、ベースラインで低パフォーマンスだったCOPDでのみ反応性を示した。
distribution basedで算出したMIDはSPPB合計スコアで1点がCOPDで推奨された。
今後、異なる施設でのSPPBのMIDを推定し確実なものにしていく必要がある。

2023/07/20

COPD増悪入院時の身体機能評価についてのレビュー

Performance-based outcome measures to assess functionality in hospitalised patients with COPD exacerbations: a systematic review of the measurement properties

Eur Respir Rev (IF: 8.84; Q1). 2023 Jul 12;32(169):230013.


【背景】
COPD増悪(ECOPD)で入院した患者は、身体機能障害が、活動性や再入院に影響しているかもしれない。したがって、これらの患者の低下した機能を適切に同定することは、個別的なリハビリを行うために重要である。
この目的は、ECOPDで入院した患者の身体機能に基づくアウトカムを要約し、比較すること。

【方法】
合意に基づく健康測定機器の選定基準(COSMIN)を基にしたシステマティックレビュー。
PubMed, Embase, PEDro and Cochrane databases を使用して、機能、ECOPDで入院した患者、評価特性に関連した用語を使用して検索。
2人の研究者で選択、選定を行った。
The COSMIN Risk of Biasチェックリストを使用して、研究の方法の質や評価特性の結果を評価し、良い評価特性であるかの基準で比較した。
エビデンスの質は、修正された推奨グレード、評価、開発および評価アプローチを使用してグレード付けされた。

【結果】
13件の研究で9つの評価が包含された。(6分間ペグボードリングテスト、the de Morton mobility index、ISWT、6MWT、最大吸気圧、BBS、4m歩行速度、握力、6分間ステップテスト)
構成の妥当性は、ISWTを除いて、十分であると判断された。
反応性は、MIPでのみ評価され、不十分であると考えられ、ISWTと6MWTの測定誤差は不十分であり、すべての評価特性は非常に低いエビデンスの質であった。

【考察】
ECOPD入院患者を対象とした、パフォーマンスベースでの身体機能評価の特性は、未だ不足しており、有効性を支持するエビデンスが非常に少なく、反応性と信頼性のエビデンスが欠けている。
このトピックに関する取り組みと積極的で個別的な管理をガイドするような研究が必要である。

ILD急性増悪後の予後、長期酸素療法必要率

Prognosis after acute exacerbation in patients with interstitial lung disease other than idiopathic pulmonary fibrosis

Clin Respir J (IF: 2.57; Q3). 2021 Mar;15(3):336-344.


【背景】
急性増悪(AE)は、特発性肺線維症(IPF)の急性呼吸不全により生命を脅かす状態として認識されている。
AEは、IPF以外の間質性肺炎(IIPs)のタイプとして、線維性間質性肺疾患(ILD)でも存在し、ILDは、膠原病関連や慢性過敏性肺炎などに関連したILDでも存在する。
しかし、AE後の臨床的影響に関しては明らかになっていない。

【方法】
2002年から2016年の間に、初回のILD急性増悪の174例を後方視的に探索。
AEは、改訂された基準と、2016年の国際ワーキンググループによる診断基準によって定義された。
臨床特性、90日後生存率、AE後長期酸素(LTOT)の必要をILD毎に評価した。

【結果】
102例のAE-IPF、72例のIPF以外のAE-ILD(non IPF IIPs29例、二次性(CVD、CHP)ILD43例)が対象。
CVD-ILDのうち、リウマチが最も多かった(17例)。
AE後の90日後死亡率:IPF57%、non-IPF  IIPs33%。
AE後、IPF以外のILDは、IPFよりも生存率が高かった (P < 0.001).
生存者の中で、LTOTの必要な割合:IPF63%、non-IPF IIPs35%、二次性ILD46%。

【考察】
IPF以外のAE-ILDは、AE-IPFよりも予後が良かった。しかし、どちらも、慢性呼吸不全による致命的なコンディション不良が生じる。