Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle 2022; 13: 2331–2339
【背景】
5回起立テストの臨床的に有意な変化量は統合されたケアを受けている高齢者の活動のモニタリングに不可欠である。
起立テストの臨床的に有意な変化の推奨値は知られていない。
目的は、高齢者の5回起立テストの臨床的に優位な変化の絶対値と相対値を推定する事。
【方法】
distribution-base とanchor-base でに加えてROC曲線で、地域在住高齢者(SAGE Mexico study,n=897)の5回起立テストの臨床的に有意な変化量を算出。
3種類のアンカーを使用:身辺活動、活発な活動、1km歩行
プライマリーアウトカムは、基本的ADL障害の発生
セカンダリーアウトカムは、健康なボランティア (MAPT, France, study n = 1575)を対象にして、ADL障害が生じる偶発的なリスクを推定するための臨床的に有意な変化を推定すること。
【結果】
SAGE Mexicoの参加者は、平均年齢69.0歳、54.4%女性
ベースラインの5回起立は12.1秒
48人(5.6%)は、3年間の間に活動制限が生じていた。
3年間の臨床的に有意な絶対値と相対値は、2.6秒と27.7%であった。
絶対値は、推定する方法によるが、0.5-4.7秒の間であった。
相対的な臨床的に有意な変化は、9.6-46.2%であった。
SAGE Mexicoの参加者の絶対値と相対値(2.6秒、27.7%)は、それぞれ臨床的に低下をしていない参加者と比べ、ADL障害の発生リスクの上昇を示した。
MAPT参加者(年齢70-94歳、5年間のADL障害発生=14.8%)は、相対的に有意な減少(ベースラインから3年間で27.7%以上)は、低下が無い参加者よりもADL障害発生リスクが74%高かった。
【考察】
地域在住高齢者で、3年間の5回起立テストが3秒or28%(1年間で約1秒or10%)増加している場合は、活動制限の予防や活動向上のための介入のターゲットとなるだろう。