Eur J Cardiothorac Surg. 2021.
【目的】
VATSにて葉切除を行った肺がん患者のQOLが入院日数(LOS)と関連しているか検証すること。
【方法】
単施設後方視研究。250例が対象。
233例が葉切除、17例が区域切除。
QOL評価は、 European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire-C30 questionnaire.を使用。
単変量もしくは多変量解析を用いて、QOLとLOSの関連についてベースラインや手術パラメーターと比較。
【結果】
30日以内の呼吸循環合併症、死亡率は22%、2.4%
LOSの中央値は4日(IQR 3-7)
51例(20%)の患者は術後7日以上入院していた。
"一般的な健康(GHS)"、"身体機能"、"機能的役割"の項目で、入院が長くなった患者において悪い結果であった。
ロジスティック回帰分析にて、その他とテスト項目は高い相関を認めた。
年齢、FEV1.0低値、DLCO、脳血管障害の既往に加えて、GHSを含むモデルがもっともすぐれていた。
59例の患者はGHS<58(四分位値よりも低い)
このうち31例は入院日数が長かった。
【考察】
術前QOLは術後入院日数の延長と関連していた。
ベースラインのQOLの状態は、術後回復を促すための心理サポートプログラムを含めるか考慮するために、評価すべきである。