Medicina (Kaunas) (IF: 2.43; Q2). 2021 Oct 15;57(10):1110.
【背景】
動作時低酸素血症(Exertional desaturation:ED)は、COPD患者で見落とされがちである。
目的は、COPDでEDの影響とEDの予測因子と死亡率について検討すること。
【方法】
安定期COPD患者を対象
EDの定義は、6MWTでSpO2<90%もしくはΔSpO2≧4%。
Cox回帰分析で、3年死亡率の危険率(hazard ratio:HR)を推定。
【結果】
113人が対象。EDはn=34、non-EDはn=79
単変量解析にて、EDとnon-EDグループで有意差を認めたのは、%FVC、FEV1.0%、%FEV1.0、%DLCO、最大吸気圧、6MWT中のSpO2、GOLDstage分類、COPD重症度。
6MWT中の最低SpO2と最高心拍数は、多変量解析にてEDと関連していた。
年齢、性別、BMI、6MWD、FEV1.0、mMRC、GOLDstage、図悪、CRP、フィブリノゲン、で調整した多変量解析にて、EDグループは、non-EDグループよりも死亡率が高かった。 (p = 0.012; HR = 4.12; 95% CI 1.37-12.39)
死亡について、EDグループの生存期間はnon-EDグループよりも著明に低かった。(856.4 days vs. 933.8 days, p = 0.033).
【考察】
EDのあるCOPD患者では死亡率が高かった。COPDでは、EDを評価すべきであり、とくに6MWT中の最低SpO2と最高心拍数のある患者では評価すべきである。