Longitudinal changes in pulmonary function and patient-reported outcomes after lung cancer surgery
Respir Res (IF: 3.92; Q1). 2022 Aug 30;23(1):224.
【背景】
手術は非小細胞肺がん患者の主な治療であるが、術後の肺機能は特に注意が必要である。
この研究の目的は、肺がん術後患者の術後肺機能の縦断的な変化と患者報告アウトカム(PROs)を評価すること。
【方法】
前向きコホート研究。
術後2週、6カ月、1年のFVC、FEV1.0の変化とmMRC、CATを患者報告アウトカムとして評価。
混合効果モデル(mixed effects model)を肺機能とPROsの変化として利用。
【結果】
620人の患者、477例(76.9%)が肺切除術、120例(19.4%)部分切除/区域切除、23例(3.7%)二葉切除/全摘出。
FVCとFEV1.0は術後2週後に著しく低下し、その後改善。しかし、ベースラインまでは回復しなかった。
mMRC scaleとCATスコアは術後特に悪化。
mMRCスコアは高いままであり、CATスコアは術後1年後にベースラインにまで戻っていた。
しかし、息切れとエネルギーの不足は続いていた。
葉切除をした患者のFVCとFEV1.0のベースラインからの変化と比べて、二葉切除/全摘出患者では特にFVCとFEV1.0は低下しており、部分切除/区域切除では、わずかに低下していた。
二葉切除/全摘出した患者は、mMRCスコアが3グループで最も高かった(息切れが強かった)。
しかし、術後1年後には統計的な違いは見られなかった。
【考察】
肺がん術後、肺機能とPROsは術後の期間で特に低下し、その後回復していた。しかし、息切れスコアとPROsを除いて。
肺機能と症状の変化の経時的変化の適切な情報は、術後患者ケアへのアプローチ指針となる可能性がある。