Support Care Cancer (IF: 3.6; Q3). 2022 Aug;30(8):6473-6482.
【目的】
周術期の運動は、手術を行う肺がん患者にとって健康アウトカムを改善させるが、運動介入前の通常の身体活動行動についてはあまり知られていない。
このレビューでは、1)身体活動ガイドラインに適合する患者の割合、2)身体活動の量、3)手術による身体活動の変遷、4)手術前後の身体活動の相関についての身体活動のエビデンスを統合することを目的とした。
【方法】
2021年7月にPubmed等でレビューを実施。
肺がん手術前後で身体活動を測定した観察研究と介入研究を対象とした。
方法の質をthe NIH Quality Assessment Toolsを用いて評価し、標準化されたフォームを用いてデータを抽出した。
【結果】
17件の研究(25論文、1737人の参加者)が対象。
14件の研究ではサンプル数が100未満であった。
13件の研究がfair quality、4件の研究がgood quality
術後6カ月から6年に患者の23-28%がPAガイドライン(週150分の中等度から高度の活動)を満たしていた。
術前の1日の平均歩数は3822-10,603歩、術後1‐3カ月では 3934-8863歩。
身体活動は術後1日‐3カ月の間は、術前と比べて低かった。
周術期の身体活動は、運動耐容能、QOL、術後合併症の減少と関連していた。
【考察】
周術期の肺がん患者の身体活動は低いことが示唆され、術後3カ月は回復しないかもしれない。
身体活動は術後アウトカムを改善させる可能性がある。しかし、既存のエビデンスは弱く、今後大規模縦断研究が必要である。