2023/01/02

肺がん術前運動療法は術後合併症を減少させる thorax2022 SR and MA

Effects of exercise training in people with non-small cell lung cancer before lung resection: a systematic review and meta-analysis

Thorax (IF: 9.14; Q1). 2022 May;77(5):486-496.


【背景】
非小細胞肺がんの肺切除前の運動療法は、心肺運動能力の向上によって術後合併症(POD)が減少できると信じられている。
しかし、介入の強いエビデンスは欠如している。

【目的】
通常ケアと比べて、術前運動療法によるPODやそのほかのアウトカムへの影響を評価すること

【方法】
2人のauthorによって、ランダム化試験を評価。
メタアナリシスを実施し、リスク比(RR)と平均誤差によって運動療法の効果を検証。
MIDによって臨床的な有用性を推定した。

【結果】
14の研究、791人が対象。
通常ケアと比較して、全PODの発生(RR0.58、95% CI 0.45 to 0.75)と臨床的に関連のあるPOD(Clavien-Dindo score ≥2)の発生(RR 0.42, 95% CI 0.25 to 0.69)が、術前運動療法の実施によって減少していた。
運動療法の死亡率への影響については非常に不正確( RR 0.66, 95% CI 0.20 to 2.22)。
主なバイアスリスクとしては、参加者のブラインドの欠如、セレクションバイアス。
運動療法は、運動耐容能、肺機能、QOL、抑うつ症状を改善させるが、臨床的に有意な変化であるかは不明確。
エビデンスの質は、アウトカムごとに算出。

【考察】
術前運動療法は、術後合併症の減少につながっている。これらの推定値は正確であり、臨床診療のために推奨するのに十分な大きさであった。(=術前運動量を推奨するということか?)