Heart Lung (IF: 2.21; Q4). 2022 Nov 23;58:91-97.
【背景】
COPD急性増悪(AECOPD)は運動耐容能が低下し、数カ月持続するかもしれない。
筋力と運動耐容能の回復の関係についてはあまり知られていない。
【目的】
呼吸筋力と骨格筋力がAECOPDで入院した患者の運動耐容能の回復を促進させるかどうかを検討すること。
【方法】
27人のAECOPD患者(平均年齢69歳)が対象
入院して24-72時間以内に評価を実施:1)呼吸筋力(MIP、MEP)、2)骨格筋力(握力、大腿四頭筋力)、3)運動耐容能(6MWD)
6MWDは30日後に再評価し、運動耐容能の回復を評価。
【結果】
30日後、6MWDのMCID(30m以上の改善)を63%の患者が達成、37%の患者が改善しなかった(30m未満の改善)。
入院中、改善しないグループは、改善グループと比べて大腿四頭筋力が低く、MIP、MEP、握力に明らかな違いは無かった。
大腿四頭筋力のみが、運動耐容能の改善と関連していた(r = 0.56; P = 0.003)。
【考察】
入院中の大腿四頭筋力の弱化は、30日後の運動耐容能の改善が乏しい。
この結果は、大腿四頭筋力の改善に対する早期リハビリが、AECOPD後の機能改善を加速させることを示唆した。