JAMA Netw Open (IF: 8.48; Q1). 2022 Jun 1;5(6):e2218189.
【背景】
COPD急性増悪後の呼吸リハビリテーション(PR)はCOPD患者の入院や死亡率を減少させ、健康関連QOLを改善させるが、PRの利用はいまだ少ない。この環境でのPRの費用対効果の推定を推定することで、普及率を改善させるための政策に役立てることができる。
【目的】
COPD入院後のPR参加による費用対効果を推定すること。
【方法】
社会的な解析を用いたアメリカでCOPD増悪入院後にPRを行った患者と行わなかった患者で費用対効果を比較。
マルコフマイクロシュミレーションモデル(A Markov microsimulation model)でアメリカヘルスケアシステムにおける費用対効果を推定。
lifetime horiozon、1年のサイクル期間、コストとアウトカム療法を年間3%の割引率で推定。
データは2001年10月から2021年4月までを採用し、2014年1月から2012年12月までをCOPD生存で医学的に有益な解析として行った。
【介入】
COPD患者で入院後にPRを行った患者と行わなかった患者を比較。
【アウトカム】
USドルでの保険費用、QALYs、費用対効果率の上昇傾向
【結果】
平均年齢76.9歳(60-92歳)、58.6%女性。
社会的視点からの基本ケースのマクロシュミレーションでは、PRを行った結果として、患者1人当たり5721ドルのコスト削減が可能であった。また、質調整余命(QALE)も改善した。
年齢、GOLD重症度stage、PR実施セッションによる単変量解析の結果でも、PRによる保険費用削減とQALE効果は変わらず示された。
確率的感度分析(probabilistic sensitivity analysis)では、1000人のサンプル全てでコスト削減とQALE向上が得られ、どの支払い意思額でも100%のシュミレーションで支配的な戦略であった。
総コストの一元的感度分析(1-way sensitivity analysis)において、36セッション終了時点で、1回のPRセッションは、1セッションあたり171ドルのコスト削減効果があり、1セッションあたり884ドルの費用対効果率の上昇があった。