2022/09/06

COPD 運動時酸素吸入にて息切れ症状は改善、生存率には影響しない

Exercise response to oxygen supplementation is not associated with survival in hypoxemic patients with obstructive lung disease

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis (IF: 2.77; Q1). 2018 May 17;13:1607-1612.


【背景】
低酸素血症は、重症肺疾患やアウトカムの悪化と関連している。動作時低酸素血症のあるCOPD患者において、酸素療法は運動耐容能を向上させる。
離床的に、酸素療法によるこの運動の反応は不明である。

【方法】
動作時酸素の評価のために6MWTを行い、室内気で低酸素があり、酸素吸入をテストに追加したCOPD患者。
酸素療法が有効と判断した基準は、酸素吸入にて26m以上の歩行距離延長が得られた患者。
2006年から2016年に追跡。生存率は2017年時点で判断。
酸素に反応した患者と反応しなかった患者で生存率を比較した。

【結果】
174人の患者が参加
年齢中央値70歳。77人(44.3%)が酸素に反応した。
酸素吸入によって、息切れのborgは1.4ポイント改善(p<.0005)。
生存中央値は66カ月で、84人(48.2%)が死亡。
カプランマイヤーにおいて、酸素反応グループと非反応グループに生存率の違いはなかった(p=0.571)。
Cox回帰分析で、より高い死亡リスクと関連していたのは、室内気で6MWTでの低酸素がより大きい、歩行距離が短い、男性、低Hb、低BMIであった。

【考察】
酸素療法による急性運動反応はCOPD患者の長期予後に関連しなかった。
これは、動作時の酸素療法は対症的な目的にのみの使用を支持した。