2022/07/23

IPFとCOPD 呼吸リハの効果 傾向スコアマッチ

Pulmonary Rehabilitation in Idiopathic Pulmonary Fibrosis and COPD
A Propensity-Matched Real-World Study

Chest (IF: 9.41; Q1). 2022 Mar;161(3):728-737. 


【背景】
IPF患者の呼吸リハビリの臨床的効果については、COPDと比べると未だ明らかになっていない。
この研究では、外来呼吸リハプログラムを実施したIPF患者の反応を、同様の介入を行ったマッチさせたグループのCOPDと比較し、呼吸リハとIPFの生存率の関連について検討した。
リサーチクエスチョン:IPF患者は、COPD患者と同程度の呼吸リハによる改善があるのか、未完了、反応しないグループと1年後の死亡率を比較。

【方法】
傾向スコアマッチングを使用
163人のIPFと1:1でマッチさせた163人のCOPD
グループ間の呼吸リハ完了率と反応性を比較
IPF集団の生存率は呼吸リハ終了1年後を記録
Cox比例ハザード回帰で呼吸リハの状態と死亡率の関係を解析。

【結果】
呼吸リハ完了率は同程度 (IPF, 69%; COPD, 63%; P = .24)、運動の反応性(ISWTの変化)も、有意差なし(mean, 2 m [95% CI, -18 to 22 m]).
呼吸リハ未完了(hazard ratio [HR], 5.62 [95% CI, 2.24-14.08])、非反応 (HR, 3.91 [95% CI, 1.54-9.93]) 、は1年後の死亡率の増加と関連。

【考察】
IPF患者では、COPDと比べて同程度の呼吸リハ完了率、反応性を示した。
IPFにおいて、呼吸リハを完了できない、反応性が乏しいことは、死亡率の増加と関連していた。
これらのデータは、IPF患者において呼吸リハが有効であることを支持する。