2022/07/29

重症COPD 運動時のNIVで運動持続時間延長

Bilevel Noninvasive Ventilation During Exercise Reduces Dynamic Hyperinflation and Improves Cycle Endurance Time in Severe to Very Severe COPD

Chest (IF: 9.41; Q1). 2021 Dec;160(6):2066-2079.


【背景】
吸気予備量(inspiratory capacity:IC)の減少で測定される、運動中の動的肺過膨張(dynamic hyperinflation:DH)は、多くの重症COPD患者において、動作時息切れを増強させ、耐容能を減少させる。運動中のNIVが、DHへ影響し、運動時間を延長できるかは明らかでない。

【リサーチクエスチョン】
COPD患者において、運動中のバイレベルNIVによって、DHが減少し、NIV無しでの運動と比べて運動持続時間が向上するか。
個別に設定したEPAPによるNIVはDHを減少させ、標準的なEPAP5cmH2Oよりも運動時間を延長させるか。

【方法】
ランダム化クロスオーバー試験
参加者:N = 19; FEV1 of 1.02 ± 0.24 L (39% ± 6% predicted)
ランダムに3種類(NIV無し、標準的EPAP、個別EPAP)の定常負荷での持続サイクルテストを実施。
プライマリーアウトカム:isotime ICと運動持続時間
それぞれの介入によるアウトカム評価はisotimeと運動後に測定し、線形混合モデル解析を使用。

【結果】
NIV無しと比べて、ICと運動持続時間はNIV使用によって、延長した(標準EPAP、個別EPAPのどちらも)。
標準EPAPと個別EPAPには有意差は無かった。

【考察】
運動時のDHのあるCOPD患者において、運動中のNIVは、DHを減少させ、運動時速時間を延長した。
5cmH2Oの標準的なEPAPで十分に効果が得られた。