2022/07/06

術前運動負荷試験の結果でリスク層別化してのリハの効果

Effectiveness of Perioperative Cardiopulmonary Rehabilitation in Patients With Lung Cancer Undergoing Video-Assisted Thoracic Surgery

Front Med (Lausanne) (IF: 3.9; Q1). 2022 Jun 15;9:900165.


【目的】
肺がん患者は、肺切除後の罹患率と死亡率のリスクが高まる。
周術期心肺リハビリ(perioperative cardiopulmonary rehabilitation:PRCR)を受けた患者は予後が良い。
最大酸素摂取量(peakVO2)、換気閾値時点のVO2(VO2 at VT)、CO2生成に対する分時換気量の勾配(VE/VCO2 Slope)を、心肺運動負荷試験(CPET)で術前に評価し、肺切除後の予測値を計測した。
目的は、異なる術前リスクのあるVATSを行った肺がん患者に対して、術後合併症に対するPRCRの効果を検証すること

【方法】
後方視研究
2017-2021年に肺がんでVATSを行った125人の患者が対象
CPETは術前リスクレベルの評価のために実施。PRCRはpeakVO2、VO2 at VT、VE/VCO2 slopeによってリスクレベルを分けたものを基に実施。
プライマリーアウトカム:ICU日数、在院日数、気管挿管時間(ETT)、胸腔ドレーン挿入時間
セカンダリーアウトカム:術後合併症(PPCs)、皮下気腫、気胸、胸水、無気肺、蓄膿症を含む。

【結果】
peakVO2(3グループ)、VO2atVT(2グループ)、VE/VCO2 slope(3グループ)でリスクレベルを基に3グループで比較した。
プライマリーアウトカム、セカンダリーアウトカムともに有意な差は得られなかった。

【考察】
異なるリスクレベルの患者で、CPETを最高にしたPRCRを行った後の予後やPPCsを示した。
PRCRは肺がんでVATSを行った患者において奨励されるべきである。