2022/07/02

がん術後の身体活動量。術後3カ月で術前まで回復したのは41%

Postoperative recovery of accelerometer-based physical activity in older cancer patients

Eur J Surg Oncol (IF: 4.42; Q2). 2020 Nov;46(11):2083-2090.


【背景】
身体活動の回復は、がん術後の重要な機能的アウトカムである。
しかし、高齢がん患者における客観的な身体活動に関するデータは。希少である。
目的は、術前身体活動レベルを測定し、術後3ヶ月後の身体活動の回復を評価し、回復した患者の特性を調べること。

【方法】
観察コホート研究。65歳以上のがんで予定手術をする患者を2018年から2019年に調査。
周術期の1日の歩数をFitbitデバイスを使用して評価
プライマリーアウトカムは術後3カ月で、術前の身体活動レベルの90%以上に回復した患者の割合

【結果】
50人の患者(平均年齢73歳)がデータ解析可能であった
ベースラインの歩数の中央値:5974歩 (IQR 4,250-7,922)
退院前の歩数:1619歩(IQR 920-2,839)
術後3カ月の歩数:4674歩(IQR 3,047-7,592)
37人中15人の患者(41%)の術後3カ月後に術前活動レベルに近づいた患者は、そうでない患者と比較して、術前の自己申告の活動量が多い傾向にあり、麻酔科医の身体的状態の分類も良好で、院内合併症が少ないが、統計的に有意ではなかった。

【考察】
周術期の身体活動で高齢がん患者を分類し、3ヶ月後の身体活動レベルは、41%の患者でベースラインまで回復していた。
加速度計を使用した身体活動の値は、術後身体活動の回復を評価する価値あるアウトカムである。
さらなる研究で、客観的な身体活動を評価し、身体活動を向上させるための介入効果の検討が必要である。