JAMA (IF: 56.27; Q1). 2018 Jul 24;320(4):368-378.
【背景】
ベッド上エルゴや筋電気刺激は、ICUの患者のリハビリにおいて効果的かもしれない。
【目的】
早期ベッド上エルゴ+大腿四頭筋への電気刺激を標準的な早期リハに追加して行うことで、ICU退室時の筋力が増強するかを検討すること。
【方法】
単施設、ランダム化比較試験。
フランスの1100床の病院にうち1つのICUに入室した重症患者が対象。
2014年から2016年までに参加し、6か月フォローアップした。
【介入方法】
標準的早期リハ+ベッド上エルゴ+筋電気刺激(n=159)と標準的早期リハのみの通常ケア(n=155)にランダムに分けた。
【アウトカム】
プライマリーアウトカム:ICU退室時の筋力(MRC SUMスケール,0-60点、MCID4点)
セカンダリーアウトカム:ICUでの呼吸器離脱日数、ICU mobility scale(0-10点、高いほど歩行能力がより良い)
6ヶ月後に機能的自立性(functional autonomy)と健康関連QOLを評価。
【結果】
314人がランダム化され、312人(平均年齢66歳、女性36%、78%は研究開始時に人工呼吸管理していた)が研究を完遂し、解析対象となった。
ICU退室時のMRCスケールは介入群の中央値48点、通常ケア群の中央値51点(p=.28)。
ICU mobility scale スコアは、どちらの群も6点。
28日時点での人工呼吸離脱日数は、介入群22日、通常ケア群21日(p=.24)
離床セッション中の重篤なイベントは介入群で7人(4.4%)、通常ケア群で9人(5.8%)で発生。
6か月後評価のアウトカムで、両群に有意差は無かった。
【考察】
ICU入室患者に対して、通常の早期リハプログラムに加えて、ベッド上エルゴと筋電気刺激を行うことは、ICU退室時の筋力を改善させなかった。