J Neuroeng Rehabil (IF: 3.52; Q1). 2013 Jun 28;10(1):63.
【背景】
等尺性神経筋電気刺激(NMES)は、自発的に運動が行えない患者に有酸素運動を行えるようになり、全身の酸素摂取量が向上する結果、心肺の健康を得られるというエビデンスが示されている。
有効かつ持続的に酸素摂取量を誘発する最適な刺激強度については明らかになっていない。
目的は、大腿四頭筋への低頻度刺激範囲のNMESによる最大酸素摂取量の反応頻度や筋トルクの誘発について検討すること。
【方法】
10人の健常男性
大腿四頭筋へのNMESを実施
1‐12Hzの範囲での4分間の刺激を8回実施。途中の安静期間は4分確保
呼気ガスと膝伸展トルクは同時にモニター
重回帰分析を用いて、得られたモデルをエネルギーモデルに適合。
エネルギーモデルは、周波数、トルク時間積分、単位時間あたりの積算値で表すエネルギーモデルを作成し、データを適合させた。
【結果】
最大酸素摂取量は、12Hzで最大564ml/minの上昇が得られた
呼吸交換比(respiratory exchange ratio;酸素摂取量に対する二酸化炭素の排泄量の比率。CO2排泄量/酸素摂取量。呼吸商の間接的な指標)は、4-12Hzでほぼ1であった。
最大トルクが得られたのは12Hz、最大筋発揮のピークは6Hz
回帰モデルにて、観測されたエネルギー応答の変動の88%を占めた。
【考察】
長期間の筋収縮を回避するための要件を考慮し誘発トルクを最小限に抑えるためには、持続可能な有酸素運動の理想的な周波数は4-5Hzであることを示唆した。
この研究では、それを超えると有意な単収縮が発生する頻度が増えた。