JAMA (IF: 56.27; Q1). 2015 Oct 6;314(13):1376-85.
【背景】
足関節骨折による固定後のリハビリの効果については明らかになっていない。
目的は、監視下の運動プログラム+(リハビリの)アドバイスとアドバイスのみを比較して、骨折重症度、年齢、性別によって効果が変わるかの影響を検討すること。
【方法】
2010年から2014年に行われたランダム化比較試験のEXACT試験。
対象者:7つのオーストラリアの病院にて、固定解除された日にランダム化を行った。
571人の患者が適格基準を満たし、357人は不参加を希望、214人をランダムにリハビリ(106人)とアドバイスのみ(108人)に振り分け。
194人(91%)が1カ月フォロー、173人(81%)が3カ月、170人(79%)が6カ月フォローを完了。
副作用による離脱はなかった。
【介入】
監視下運動+アドバイスは、自己管理について、個別指導、処方、モニタリング、漸増(progressed)した。
どちらの介入も理学療法士が実施。
【アウトカム】
プライマリーアウトカム:活動制限;the Lower Extremity Functional Scale(80点満点、高いほど活動的)、QOL:Assessment of Quality of Life(0-1、1に近いほどQOL良好)
評価は、ベースライン、1か月後、3ヶ月後、6ヶ月後に実施。
【結果】
・ベースライン
活動制限:リハビリ群30.2、アドバイス群30.1
QOL:リハビリ群0.54、アドバイス群0.51
・1か月後
活動制限:リハビリ群54.4、アドバイス群54.8
QOL:リハビリ群0.75、アドバイス群0.78
・3ヶ月後
活動制限:リハビリ群64.3、アドバイス群64.3
QOL:リハビリ群0.85、アドバイス群0.85
・6ヶ月後
活動制限:リハビリ群69.9、アドバイス群69.9
QOL:リハビリ群0.89、アドバイス群0.89
治療効果は、骨折の重症度や年齢、性別による影響はなかった。
【考察】
孤発性の足関節骨折患者において、監視下運動プログラム+アドバイスは、アドバイスのみと比べて活動制限とQOLに追加効果を認めなかった。
今回の結果は、足関節骨折患者で固定解除後にルーチンで運動プログラムを行うことを支持しない。
-介入内容-
・アドバイス群
運動、活動再開についてのアドバイスを1回実施。テキストやイラストで説明。
運動は、非荷重での足関節運動
・リハビリ群
上記と同じアドバイスを実施。
運動は、個別に処方。外来リハで実施。自宅でも運動を継続するよう推奨。
運動内容:1)足関節の可動性と筋力ex、2)ステップ練習、3)荷重、バランス練習
歩行練習と通常の仕事やレジャーを再開するためのアドバイスを実施
介入回数は、1週目は2セッション、2-4週目は1セッション/週