2022/02/17

ピークフローによる呼吸筋サルコペニアの定義

Definition of Respiratory Sarcopenia With Peak Expiratory Flow Rate

J Am Med Dir Assoc (IF: 4.67; Q2). 2019 Aug;20(8):1021-1025.


【目的】
呼吸筋力は加齢とともに減少し、呼吸筋機能異常は呼吸筋サルコペニアを呈しているかもしれない。
しかし、呼吸筋サルコペニアの定義に関するコンセンサスは得られていない。
目的は、ピークフロー(peak expiratory flow rate :PEFR)を基に呼吸筋サルコペニアの定義を構築すること。

【方法】
横断研究。681人の地域在住の高齢者が対象。
評価項目:体組成、スパイロメトリー、握力、歩行速度。並存症、介護保険認定(long-term insurance certification.)を聞き取りで収集。
サルコペニアの基準:骨格筋量、握力、歩行速度を日本人の基準で判定。
ROC曲線でサルコペニアと介護保険によってピークフローのカットオフを算出。気道閉塞は関係なしに性別ごとに算出。
ROC曲線によって、4分位の最低値、5分位の最低値、標準偏差でカットオフ値を算出
多変量解析にて、それぞれのカットオフ値とその他の変数から独立して呼吸筋サルコペニアに影響するものを算出。

【結果】
ROC解析でサルコペニアと介護保険の会計は、男女とも有意差があった。
多変量ロジスティック回帰モデルにて、PEFRが1SD低い値が最も制度が高かった。
呼吸筋サルコペニアのPEFRカットオフ:男性4.40L/min、女性3.21L/min

【考察】
PEFRを基にした呼吸筋サルコペニアの基準は従来のサルコペニアと介護保険と相関しており、有用である。
今回の研究では、呼吸筋サルコペニアはPEFRのみで定義された。
その他の指標も考慮すべる必要があるかもしれない。