2022/02/11

呼吸筋サルコペニア-概念、診断、治療-

Respiratory Sarcopenia and Sarcopenic Respiratory Disability: Concepts, Diagnosis, and Treatment

J Nutr Health Aging. 2021; 25(4): 507–515.


筋線維の萎縮と弱化は加齢による全身の骨格筋の低下と並行して呼吸筋にも生じ、呼吸筋サルコペニアとして知られている。
日本リハ栄養学会の呼吸筋サルコペニアグループはこの領域のナラティブレビューにて、概念と診断基準を作成した。

我々は、呼吸筋サルコペニアを"全身のサルコペニアと低呼吸筋力もしくは低肺機能によって示される呼吸筋量の低下"と定義した。

呼吸サルコペニアは加齢、活動低下、低栄養、疾患、カヘキシア、医原性などの様々な要因がある。

また、診断アルゴリズムを作成した。
"Presbypnea"=加齢による呼吸機能低下。加齢による呼吸の活動制限がわずか(mMRC1レベル)

また、呼吸筋の活動制限の定義を"呼吸サルコペニアの結果として生じる呼吸機能の低下"とした。

サルコペニア様の呼吸機能障害の診断は、呼吸筋サルコペニアが機能障害として生じている場合とした。

機能障害が無く、呼吸筋サルコペニアが生じている場合は、"at risk"と定義。
機能障害の程度は、mMRC≧2

リハ栄養(運動と栄養)は、呼吸筋サルコペニアやサルコペニア様呼吸機能障害の治療と予防に十分かもしれない。