2021/12/07

SPPBのMCID (COPD 1点)

Short Physical Performance Battery: Response to pulmonary rehabilitation and MCIDs in patients with COPD

European Respiratory Journal 2021 58: PA307;


【背景】
SPPBは、活動性やバランス評価のために、COPD患者でよく用いられている。
呼吸リハの反応性やMCIDについての情報は少ない。

【目的】
COPD患者における、SPPB項目とスコアに関しての、呼吸リハの反応性とMCIDを推定すること。

【方法】
後方視研究。
632人のCOPD患者(平均年齢65歳、男性50%、%FEV1.0 43%)
SPPBは、3種類の立位バランス、4m歩行速度、5回起立テストで構成される。
MCIDは、アンカーベース(アンカー:CAT、6MWT)、ディストリビューションベースで推定。

【結果】
5回起立(∆=1.14 (-4.20- -0.93) sec)、SPPB合計スコア(∆=1 (0-2) points)が、呼吸リハ後に改善
MCIDは、アンカーにした項目との相関が得られず、推定できなかった。
ディストリビューションベース法で推定したMCIDは、
閉脚立位:0.51-0.67 sec
セミタンデム: 0.64-0.78 sec
タンデム:1.80-2.03 sec
4m歩行速度:0.05-0.31 m/s 
5回起立:2.19-6.33 sec
SPPB合計スコア:0.81-0.96 points

【考察】
5回起立とSPPB合計スコアは、COPDの呼吸リハ前後で反応性を示した。
ディストリビューションベースで算出したMCIDは、SPPB合計スコア1点。
今後、異なる施設でのSPPB下位項目のMCIDを算出する必要がある。