Physical Activity and Exercise in Lung Cancer Care: Will Promises Be Fulfilled?
Oncologist (IF: 5.03; Q1). 2020 Mar;25(3):e555-e569.
肺がんは、世界のがん関連死亡の主要原因である。
疾患の治療効果は進歩しているが、しばしば疾患に関連した症状(息切れ、咳嗽、疲労感、不安、抑うつ、不眠、疼痛)によって衰弱している。
身体活動と運動は、疲労感、QOL、心肺機能、肺機能、筋肉量と筋力、心理的要素を改善させる非薬物療法である。
さらに、運動(fitness)レベル、特に心肺耐久性と筋力は、生存の独立した予測因子である。
それにも関わらず、肺がん患者は、身体活動と運動のレベルが満足なレベルになく、QOLの低下や骨格筋弱化や萎縮、症状の悪化、特に息切れの悪化を引き起こす。
肺がん患者の体力や治療成績に運動が影響を与える可能性のある分子基盤は、まだ解明されていない。
特定のがん細胞が獲得した能力(がんの特徴)に対抗することや、治療による有害事象を防ぐことが、主な候補となるメカニズムである。
肺がん患者の身体活動と運動が影響する可能性については十分に理解されておらず、肺がん患者のガイドラインで運動に特化したものはない。
この論文では、身体活動と運動を支持するエビデンスを徹底的にレビューし、栄養や心理的介入も考慮した国際的、多面的に集約した介入がより有効であると考える。
術後や治療後の運動の効果や安全性に関するエビデンスは増えているが、ほとんどの患者は不十分な活動や安静にしている。
運動プログラムに参加することは、肺がん患者にとって負担の大きいことであるが、身体的・心理的な疾患特異的なバリアが主な原因である(喫煙の偏見"stigma"を含む)。
腫瘍学の専門家とがん運動の専門家が共同することは、患者の求めていることや好み、精神心理的状態に基づいた個別的なプロブラムのために必要である。
この点について、多面的に患者のより良い生活にアプローチすることで、運動の効果も向上することが期待される。