2021/10/09

イリザロフ固定を行ったピロン骨折の下肢荷重やバランスの状態

Assessment of the distribution of load on the lower limbs and balance before and after ankle arthrodesis with the Ilizarov method

Sci Rep (IF: 4.38; Q1). 2018 Oct 24;8(1):15693.


イリザロフ法による足関節固定術は、進行した足関節の退行性変化に対する治療法として認められている。
下肢へのバランスや荷重分布が不正確であると、疼痛や機能障害を引き起こすかもしれない。
この研究の目的は、イリザロフ法による足関節固定術前後での下肢の荷重バランスの変化について評価する事。

2013-2016年にイリザロフで足関節固定術を行った21人の患者が対象。
バランスと下肢荷重の割合評価は、術前と追跡期間中に実施。

Zebris pedobarographic platform.(足底圧計測器?)で評価

術前:患側下肢への平均荷重は、体重の41.9%であった。一方、健側下肢へは58.1%であり、統計的な有意差を認めた。(p = 0,000031).
2年間のフォローアップにて、治療側への荷重は48.19%であり、健側は51.81%であった。



術前検査にて、重心の平均軌跡長は161.55㎝であった。
術後の重心の平均軌跡長は129.7㎝であった。

術前:重心の平均面積は18.85㎝2で、これは、術後に6.19cm2へ減少していた。

イリザロフ法による足首の関節固定は、下肢の荷重分布やバランスを改善することで、筋骨格系のスタティックを向上させました。

しかし、健常時の状態へ復元することはできなかった。足関節の退行性変化が進行すると、下肢全体のバイオメカニクスに支障をきたしていた。