2021/07/20

TKA術前の不安症状が強いと、術後疼痛の改善が大きい

Do preoperative anxiety and depression influence the outcome of knee arthroplasty?

Reumatol Clin (Engl Ed) (Report missing IFs). May-Jun 2020;16(3):216-221.


【背景】
変形性膝関節症患者の抑うつと慢性疼痛の関連は、複雑で理解するのが困難である。実際に出現する順番を決めるのは、大変な作業になるかもしれない。

【目的】
TKA患者における術前不安と抑うつ症状との関連を分析し、不安や抑うつ症状の変化を評価すること。

【方法】
260人の患者、平均年齢70.8歳
術前と術後1年に
The Knee Society Score (KSS)
 the Visual Analogue Scale (VAS)
 the Hospital Anxiety and Depression Scale (HADS) 
the Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index (WOMAC:QOL評価)
を実施 

【結果】
術前の不安、抑うつスコアは、どちらも術後に有意な減少を示した(6.55/7.63 to 4.96/5.96、p<.001)
術前スコアと1年後の不安、抑うつスコアを、層別化して比較すると、どちらの症状も統計的に有意な改善を示した。
VASスコアは、術前の不安症状の強い患者で優位に改善していたが、抑うつ症状のある患者では対照的な結果を示した。

【考察】
TKAは、術前の不安、抑うつのレベルを減少させた。
術前不安症状のある患者において、VASで測定した疼痛レベルの減少が大きかった。
術前不安、抑うつ症状は、KSSで測定した機能的な状態の改善には影響しなかった。