2021/07/24

急性入院中の運動療法は、炎症パラメーターに影響するか。

Effects of Exercise Interventions on Inflammatory Parameters in Acutely Hospitalized Older Patients: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.

J Clin Med (IF: 3.303; Q4). 2021 Jan 14;10(2):290.


【背景】
このシステマティックレビューとメタアナリシスの目的は、入院した高齢者において、運動療法の炎症パラメーターに対する急性効果を検討すること。

2020年8月までの研究を対象にレビューを実施。
対象となる研究は、急性入院した高齢者に対して、運動と通常ケアの炎症パラメーターへの影響を比較したRCT。
二人のレビュアーが独立して研究を評価。研究の質は、DerSimonian-Laird random-effects inverse-variance modelを持ちいて評価。

5つの研究(275人)が基準を満たした。
運動介入は、レジスタンストレーニングや複合的なプログラムが用いられていた。

結果は、通常ケアと比較して、運動療法は、炎症パラメーター(CRP,IGF-1など)に対して良好な影響を示した。
しかし、炎症パラメーター個別の解析では、CRP、IGF-1が減少傾向にあるが、著明な減少ではないことを明らかにした。

このレビューにおいて、急性入院中の高齢患者に対する運動療法は、わずかに炎症状態を改善させることを示した。
とはいえ、RCTの数が少ないため、今回の結果を慎重に解釈し、今後の研究での結果を注意して確認すべきである。