Impact of resistance training in chronic obstructive pulmonary disease patients during periods of acute exacerbation
Arch Phys Med Rehabil (IF: 3.098; Q1). 2014 Sep;95(9):1638-45.
【目的】
COPD増悪で入院した患者において、全身抵抗運動が運動耐容能、健康関連QOL、筋力に影響するかを検討すること。
【方法】
ランダム化比較試験。大学病院にて実施。
46人の患者をランダムに対照群と介入群に振り分け。29人が完了した。
介入:上下肢の6つの筋群のウェイトリフティングトレーニングを実施(8回を2セット)
開始時の負荷は1RMの80%。
評価:入院2日目、退院時、退位後30日後に評価。
項目は、6MWD、HRQOL、筋力、全身炎症、身体活動レベル(PADL)
【結果】
対照群は下肢筋力の低下を示したが、6MWDは変わらなかった。
トレーニング群は、入院期間中と30日後の下肢筋力と6MWDは改善していた。
トレーニング群は、入院後のHRQOLの影響(impact)の要素の改善を示した。
トレーニング群で、PADLは改善しなかった。
最終的に、入院後トレーニング群においてのみ、血中炎症マーカーが減少していた。
【考察】
入院中のレジスタンストレーニングは、全身炎症の程度に関わらず、6MWD、HRQOL、下肢筋力を改善した。
しかし、大規模ランダム化試験での検証を行うべきである。
・増悪で入院したCOPD患者46人をランダム化
・適格基準:過去30日間入院していない、年齢40-85歳、筋骨格系や神経系に問題が無い、過去6か月呼吸リハに参加していない、その他呼吸器疾患が無い
・増悪の基準:喀痰、咳の増加、息切れの増悪
・除外基準:入院2日前にICUに搬送されている、精神状態の変化、低酸素血症の増悪(PaO2<40mmHg@room air)、呼吸性アシドーシス(pH<7.25)、入院日数5日未満、評価が行えない
・評価のタイミング:入院2日目、退院時、退院1ヶ月後
・入院2日目の評価をベースラインとし、対照群(CG)と加入群(TG)に分けられた。
・対照群の内容
胸部理学療法(分泌物除去のため)、必要であればNPPV
日常の身体活動を行うよう口頭にて指導
薬物治療や酸素療法はGOLDのガイドラインを参考に処方
患者は、退院後に運動プログラムや運動を行うよう指導されなかった。
・介入群の内容
対照群の内容に加えて、全身レジスタンストレーニングを実施
上肢:肩屈曲、外転、肘屈曲、下肢:膝伸展、膝屈曲、股関節屈曲
運動は、入院3日目から開始し、患者ごとに、入院中に最低3セッションは行うようにした。
運動セッションは、毎朝、座位にてウェイト無しで8回を2セット実施
運動負荷は、1RMの80%から開始し、症状に応じて負荷量を調整。患者が耐えられるところまで負荷を漸増した。
中止基準:BorgScale≧7、予測最大心拍数70%未満、めまい、失神、チアノーゼ
酸素はSpO2<88%で吸入し、92-94%になるよう調整
・アウトカム
身体活動:活動量計?を用いて、1日12時間測定。入院後3-4日より測定。退院後、週末を除く連続2日間を測定。
全身炎症:IL-6, IL-8,IL-10, IL-12 p70, IL-1b, TNF-α、CRP