2021/07/15

活動量計を用いた呼吸リハ後、身体活動量は有意な改善を示すか

Long-Term Benefits of Adding a Pedometer to Pulmonary Rehabilitation for COPD: The Randomized Controlled STAR Trial

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis (IF: 2.772; Q1). 2021 Jul 2;16:1977-1988.


【目的】
Stay Active after Rehabilitation (STAR) studyでは、3週間の入院呼吸リハを行ったCOPD患者で加速度計を用いた行動介入を行い、PR後6週と6ヶ月後の患者の活動レベル(中等度強度の身体活動、安静時間)、QOL、症状、その他心理的、臨床的変数を調査。

【方法】
リハを行ったCOPD患者は、3軸加速度計 (ActiGraph wGT3X) を呼吸リハ実施2週間前(T0)、リハ後6週(T3)、6か月(T4)に7日間装着。
加えて、3週間の入院PR(対照群)と、ランダムに介入群に分けられた患者は、歩数計を用いた行動変容プログラムを基にした介入を実施。
行動変容テクニック:個別の目標設定、セルフモニタリング、フィードバック
効果は、intention-to-treat approachにて解析。

【結果】
327人の患者(69% male, age: 58 years, FEV1 (%): 53.5, 6MWD:447.8 m))をランダムに振り分け。
介入群167人、対照群160人
両グループともPR後の歩数は増加していた。
介入群は、T3とT4の時点での歩数が対照群よりもより多かったが、統計的な有意差は見られなかった。
両グループの患者は、中等度から高度の変化を示していたが、介入群の方に有利な結果は得られなかった。

【考察】
今回の結果は、活動量計を用いた3週間の入院呼吸リハは、歩数、中等度強度活動時間の増加や安静時間の減少に有効ではなかった。
しかし、両グループとも呼吸リハ後6週と6か月での身体活動の増加を示しており、その他のアウトカム(QOL等)でも改善が見られた。

・単施設でのランダム化比較試験。評価のタイミングは5回
T0:リハ開始2週間前、T1:リハ開始時、T2:リハ終了時、T3:リハ後6週、T4:リハ後6か月
・全患者が、3週間の入院呼吸リハを実施。
・介入群は、加速度計を用いた活動量向上プログラム(45分を2セッション)に参加。
・対照群は、加速度計を用いずに、同様の時間の活動量関連の教育プログラムを受講。