In-hospital physiotherapy improves physical activity level after lung cancer surgery: a randomized controlled trial
Physiotherapy (IF: 2.478; Q1). 2019 Dec;105(4):434-441.
【目的】
肺がんで手術を行った患者にはルーチンで理学療法が処方されている。ルーチンで用いられてはいるが、術後身体機能の回復への影響はあきらかになっていない。
この研究の目的は、理学療法介入が、術後入院中の身体活動レベルや運動耐容能を改善するかを検討すること。
【方法】
単盲検ランダム化試験。大学病院の胸部外科にて実施。
94人の肺がん疑いもしくは確定した患者が対象。
介入内容は、離床、歩行、肩の運動、呼吸練習
対照群は理学療法介入を行わない。
アウトカムは、 Actigraph GT3X+ accelerometerで評価した入院中の身体活動量、6MWT、肺機能、息切れスコア
【結果】
術後3日間の活動量は、介入グループで、より多くの活動を行っていた(1日の歩数:2010歩vs1629歩。1時間当たりの歩数:49歩vs37歩)
6MWT(術前比:71%vs79%,p=.13)と肺機能(%FEV1.0:69%vs69%)、息切れスコア(mMRC:2vs2)に違いはなかった
【考察】
入院中に理学療法介入を行った患者では、術後3日間の身体活動レベルが高いことを示した。
しかし、6MWTや肺機能では違いは見られなかった。
術後早期の期間の身体活動レベルを向上させることの臨床的重要性についてはさらなる検討が必要である。
・スウェーデンの大学病院でのトライアル。過去に胸部外科手術を経験した患者は除外。
・介入内容
離床:手術日は座位、術後1日目から15m以上1-2セット歩行し、病棟内を歩行。できるだけ日中は歩行するよう指導。
ROM:肩挙上、深呼吸しながら屈曲、水平外転、胸郭回旋。術後1日目から1日2回実施。それぞれの運動は5回ずつ行う。
呼吸練習:深呼吸10回を呼気陽圧の有りと無し、歩行中に実施。併せて自己排痰(ハフィングや咳の仕方)も指導
・介入頻度:術後1-2日は1セッション20-30分実施。以後は患者の状態に応じて介入(十分動けていれば少ない時間で介入)。
・対照群は、理学療法介入や特別な治療は行われていない。
・いずれのグループも術前リハは行っていない。