2021/04/17

転倒歴のあるCOPD患者のADLと転倒、バランスの関係

The Investigation of Falls and Balance from the Perspective of Activities of Daily Living in Patients with COPD

COPD (IF: 2.5; Q1). 2021 Apr 6;1-17.


<背景>
この研究の目的は、1)COPD患者で転倒歴の有る患者と無い患者で転倒リスクの認識、バランス、ADLを比較すること、2)ADLとバランスの関係を調査すること。

<方法>
14人の転倒歴のあるCOPD患者(過去1年間に平均2.64±0.74回転倒)と14人の年齢、性別をマッチさせた転倒歴の無いCOPD患者を対象。
アウトカムは、the London Chest Activity of Daily Living(LCADL)、Activities-Specific Balance Confidence (ABC) scale、BBS、6MWT、大腿四頭筋力

<結果>
転倒歴のある患者群でADLにおける息切れが有意に強く、バランスに対する自信が低下しており、バランス能力が低下していた。
LCADLの項目”上半身の洗体”とBBSの合計点に、転倒した患者で強い相関があった(rho = -0.81, p = 0.001)。
LCADLの”社会的な外出”とABCスケールに相関があった(rho = -0.61, p = 0.001)。
LCADLの項目”上着の着替え” ”洗髪” ”階段を上る”とBBS合計スコアに中等度の相関があった(p < 0.003)。

<考察>
ADL動作における息切れの増強は、機能的能力や筋力に関わらず、パランス能力の低下やバランスの自信低下と関連していた。
転倒歴のあるCOPD患者では、機能的な移動を伴う活動において、バランスへの自信は低かった。