J Orthop Surg (Hong Kong) (IF: 1.095; Q2). Jan-Apr2021;29(1):23094990211002294.
<背景>
TKA後の入院日数(LOS)はコストパフォーマンスに優れている。
SLRは、TKA後によく行われる運動であるが、術後早期の効果については明らかになっていない。
この研究の主な目的は、術後早期SLRと入院日数との関係について評価する事。
副次的な目的は、術後早期SLRと歩行実施までの時間、階段実施までの時間などの要因との関連を評価する事。
<方法>
888件のTKA(865人)の三次病院の患者が対象になった後方視研究。
すべてのTKAはmedial parapatellar approach(内側パテラアプローチ)と止血帯(tourniquet)にて実施。
※切離部位:内側膝蓋支帯、内側広筋。
イベント(SLR,歩行、階段昇降)までの時間、LOS、これらのイベントに影響する因子を多変量ポアソン回帰モデルとロジスティック回帰モデルにて分析。
<結果>
術後1日目(POD1)にSLRができた患者は、できなかった患者よりもLOSが短かった(平均3.5日vs4.1日)
POD1でのSLRは、歩行や階段昇降までの期間の短縮とも関係していた。
女性でPOD1の安静時痛が強い患者は、術後SLRが遅れることと関連していた。
<考察>
TKA後POD1でのSLR可否は、LOS短縮、歩行や階段昇降までの時間の短縮と関係していた。
術後早期SLRは早期回復と退院を促進することができる。
術前筋力と術後疼痛の最適化が、TKA後早期回復に重要であるかもしれない。