Eur Respir J (IF: 12.339; Q1). 2021 Feb 17;57(2):2000515.
COPD患者で吸入ステロイド(ICS)が骨粗鬆症や骨折のリスクになるかについて、明らかになっていない。
目的は、COPD患者のリスクを評価すること。
スウェーデン国立健康機構に登録されたデータにおけるCOPD患者と52のスウェーデンのプライマリケアのデータでマッチングした患者が対象。
2000年から2014年までのデータを追跡。
アウトカムは、全骨折、骨粗鬆症に関連した典型的な骨折、骨粗鬆症の診断、骨粗鬆症の薬剤処方、その他骨粗鬆症に関連したイベントの発生を評価。
COPD患者は、ICS吸入のレベルで層別化。
COPD患者9651名、コントロール群59454名が対象。
追跡期間中、COPDの19.9%にて骨粗鬆症関連のイベントが少なくとも1回生じていた。コントロール群は12.9%(p<.0001)。
多変量解析にて、COPD患者で容量による影響の関係について検討したところ、高用量ICS使用は、骨粗鬆症関連イベントの発生と関連していた((risk ratio 1.52 (95% CI 1.24-1.62))
また、低用量ICSは、ICSを使用していないCOPD患者と比べ、1.27倍であった。
同様に、用量に関連したイベントの影響が4つの特異的な骨粗鬆症関連イベント(全骨折、典型的な骨折、骨粗鬆症薬剤処方、骨粗鬆症の診断)に見られた。
COPD患者は骨折や骨粗鬆症のリスクが高く、高用量ICSを使用している患者においては特にリスクが高いことが明らかとなった。