Diagnostic Accuracy of the Short Physical Performance Battery for Detecting Frailty in Older People
Phys Ther (IF: 3.14; Q1). 2020 Jan 23;100(1):90-98.
<背景>
SPPBは高齢者の健康関連アウトカムの悪化予測に広く用いられる。
しかし、フレイルのカットオフ値は検討されていない。
<目的>
地域在住高齢者を対象に、フレイル探索のためのSPPBのカットオフ値を決めること。
<方法>
都市エリアに在住する65歳以上の住民744人を対象。
フレイルは、3つ以上の項目に該当すると確定:意図しない体重減少、疲労感、虚弱、低身体活動、緩慢さ。
SPPBカットオフ値の測定は、フレイル、プレフレイルをROC曲線で算出。
フレイルとプレフレイルのオッズ比、信頼区間が最も良いカットオフ値を採用。
ブートストラップ分析で、内的妥当性を確認した。
<結果>
フレイルのカットオフ値は8点以下(感度79.7%、特異度52.8%、AUC0.85 Youden J statistic = 0.53、正の尤度比=3.05)
プレフレイルのカットオフ値は10点以下(感度75.5%、特異度52.8%、AUC0.76 Youden J statistic = 0.28、正の尤度比=1.59)
フレイルとなるオッズ比は7.44倍(95% CI = 3.90-14.19)
プレフレイルとなるオッズ比は2.33倍 (95% CI = 1.65-3.30)
<研究限界>
別のデータを使用した外部検証は行っていない。
横断的デザインでは、SPPBの予測能力を確立できない。
<考察>
SPPBは地域在住高齢者のフレイルを探索するスクリーニングツールとなり得るかもしれない。
しかし、カットオフ値は、その他のサンプルでも検証しさらなる妥当性の検討段階をすべきである。