2021/03/22

大腸がん術前の身体活動は術後合併症と関連

Self-assessed preoperative level of habitual physical activity predicted postoperative complications after colorectal cancer surgery: A prospective observational cohort study

Eur J Surg Oncol (IF: 3.959; Q1). 2019 Nov;45(11):2045-2051.


<背景>
術後の回復に関連した身体活動は関心が増している。
術後回復を評価するための重要なのは、術後合併症である。
目的は、大腸がん手術を行った患者の、術前の習慣的な身体活動と術後合併症の関係について検討する事。

<方法>
115人の大腸がん予定手術を行った患者を選択。身体活動にとその他ベースラインの変数を質問。
身体活動は、Saltin-Grimby physical activity level scaleを使用。
術後30日以内の合併症をClavien-Dindoによって分類し、包括的合併症インデックスComprehensive Complications Index (CCI)で計算した。
プライマリーアウトカムは、CCIの違い、セカンダリーアウトカムはCCI≧20となるリスク。

<結果>
身体不活動は、軽度身体活動よりもCCIが12ポイント高く(p=0.002)、通常の身体活動よりも17ポイント高かった(p=0.0004)。
個別の不活動は、CCI≧20のリスクであり、軽度身体活動よりも65%高く、通常の身体活動よりも338%高かった。

<考察>
大腸がん手術前の患者報告の習慣的身体活動は、CCIで評価したいくつかの術後合併症と量反応関係的(dose-response relationship)に関連していた。


※Saltin-Grimby physical activity level scale
レジャーに関する身体活動を評価する質問表。1968年に発表され、運動耐容能との妥当性や罹患率や死亡率との妥当性に優れている。

※Clavien-Dindo