2021/02/04

動作時酸素流量のはどのように決定するかー6MWTは過大評価している可能性ー

 Portable Oxygen Therapy: Is the 6-Minute Walking Test Overestimating the Actual Oxygen Needs?

J Clin Med. 2020 Dec; 9(12): 4007.


<背景>
COPD患者で重度の低酸素血症を呈する患者に必要な適切な酸素流量は、長期酸素療法を成功させるための需要な要因である。
日常生活で患者が必要な酸素量決定を補助する標準的な手順は無い。
耐久テストが広く用いられているが、適切な酸素量を決めるためのプロトコルが必要である。
この研究の目的は、COPDと動作時低酸素血症のある患者に対して、6MWTで決定した酸素量が、ADLで必要な流量であるがを評価すること。

<方法>
2種類の歩行テストを行い、生理学的、主観的な変数を推定。
6MWTと20分間サーキット歩行(20MWC):より日常生活での活動を再現したコースを作成。

<結果>
多くの患者で、6MWTは家庭環境において必要な酸素量を正確に予測しないかもしれない。
したがって、これらの症例における携帯酸素の量は、患者の健康(高酸素状態)に悪影響であり、外出時間を減少させるため、適切とは言えないかもしれない。

・スペイン、カディスの大学病院でのスタディ。17人の患者が参加。
・対象は、動作時低酸素血症がある、携帯型酸素療法を行っている、最低3か月、携帯酸素を使用している。
・6MWTはフラットな30m直線コースを使用。
・20MWCは、日常生活での場面を想定したサーキットコースを作成:平地、傾斜、階段。通常の歩行速度で歩行するよう説明。
・テスト中は、患者が普段使用している酸素デバイスを使用。全患者は、あらかじめ決められた酸素量を使用。パルスモードで実施。

20分サーキット歩行のコース

・テスト中は、ECGモニター、SpO2モニターを装着して歩行。
・ベースラインのSpO2、テスト中毎分のSpO2、テスト終了時のSpO2を記録。また、95%以上の時間、90%、88%、85%、80%、75%、70%未満で経過した時間も記録。
・低酸素血症の定義は、SpO2≦4%の低下が10秒続いた場合。