2021/02/09

入院中の高齢者の歩数、身体機能が退院後の歩数と関連

Factors Associated with Step Numbers in Acutely Hospitalized Older Adults: The Hospital-Activities of Daily Living Study

J Am Med Dir Assoc (IF: 4.367; Q1). 2021 Feb;22(2):425-432.


<目的>
入院した高齢患者が入院中と、退院後1週間に何歩歩いているかを調査すること。
また、退院後の歩数と関連している因子を同定し、退院後の機能低下と歩数の関係についても調査。

<方法>
前向き観察コホート研究。
70歳以上の高齢者。6つのオランダの病院(老人病棟)に内科、循環器で入院した48時間以内の患者。
歩数は、Fitbit Flex active trackerを入院中と退院後1週間装着(手首)。
社会背景、体質、身体、心理社会的要因は入院中に評価。
機能低下は、退院1か月後のKatz indexで判断。

<結果>
解析対象は、188人(平均79.1歳)。
退院1ヶ月後、174人中33人(19%)が機能低下を経験。
入院最後の日の歩数は、中央値1750歩。
退院1日目の歩数は、中央値1750歩まで増加し、退院7日後には中央値1997歩に増加
年齢、身体パフォーマンス、入院中の歩数が、退院後の歩数と関連していた。
退院後の歩数と退院1ヶ月後の機能低下に著明な関連を認めた。

<考察>
急性期病院に入院した高齢者において、退院1日目の歩数が倍になっており、入院中の能力が
十分に活用揮されていないことを示している。
身体パフォーマンスと入院中の身体活動量は、退院後の歩数増加に重要である。
退院1週間後の歩数は退院1ヶ月後の機能低下に有益な指標である。

・活動量:非利き手の手首に装着。充電時間以外は装着したまま。活動量測定のゴールドスタンダードと高い相関あり(r=0.98)
・機能低下の定義:Katz indexで評価。ベースライン(入院2週間前)と比べて、退院1ヶ月後に1つ以上のADL動作で介助が必要であること。
・身体パフォーマンス:SPPBで評価。

A:全患者(n=188)
B:機能低下していた患者(n=33)
C:機能低下していなかった患者(n=141)
p75:第3四分位
p25:第1四分位
day-7:退院7日前
day7:退院7日後