Delirium and Adverse Outcomes in Hospitalized Patients with COVID-19
J Am Geriatr Soc (IF: 4.18; Q1). 2020 Nov;68(11):2440-2446.
<背景>
成人COVID-19患者における、急性精神変容と有害事象の関係についてあまり知られていない。
目的は、COVID-19で入院した患者のせん妄の発生率を調べ、有害事象との関係を調査すること。
<方法>
ブラジル、サンパウロの病院に入院した重症COVID-19患者を対象。
50歳以上の患者707人を対象に調査。
せん妄の発生は、the Chart-Based Delirium Identification Instrument (CHART-DEL)で評価。
ベースラインの情報は、電話で参加者や代理人へ確認。
アウトカムは、入院中死亡率、在院日数、ICU入室、呼吸器管理。
年齢、性別、既往歴、バイタルサイン、ラボデータ(リンパ球数、CRP、糸球体ろ過率GFR、D-ダイマー、アルブミン)を多変量解析にて調整した。
<結果>
234人(33%)にせん妄を認めた。入院時、86人(12%)でせん妄状態(delirious)であった。
273人(39%)が死亡。せん妄のある患者の入院中の死亡率は55%近くであった。
せん妄は、入院中の死亡と関連しており、調整されたオッズ比は1.75(95%CI:1.15-2.66)であった。
せん妄は、入院日数、ICU入室、呼吸器管理の増加と関連していた。
<考察>
せん妄は、50歳以上のCOVID-19患者の病院での死亡と関連していた。
パンデミック下での患者管理は困難であるが、COVID-19患者の重症度や予後を評価する際に、せん妄のモニタリングもルーチンで行うべきである。