Changes in muscle strength and physical function in older patients during and after hospitalisation: a prospective repeated-measures cohort study
Age Ageing (IF: 4.902; Q1). 2020 Sep 9;afaa103.
<目的>
急性期病院に入院中の高齢者において、膝伸展筋力と身体機能が変化するかを検証した。
また、膝伸展筋力の変化が、疾患重症度、フレイル、安静時間に影響するかを検証した。
<方法>
急性期病院に入院後24時間以内の75歳以上の高齢者を対象。
膝伸展筋力、握力、身体機能(de Morton Mobility Index, DEMMI)を入院時、7日目(もしくは退院時)、退院後4-6週後に測定。
最初の7日間、身体活動量と筋力を毎日続けて測定。
入院2週間前の身体機能(Barthel Index)を聞き取りした。
<結果>
70人中65人が少なくとも1回筋力評価を病院にて行った。
膝伸展筋力は、入院中に11%減少(p<0.001)していたが、入院後の変化はなかった(p=0.458)。
握力は、入院中に変化なく(P = 0.665)、退院後のフォローでも変化なかった (P = 0.508)。
Barthel Indexは、入院2週間前とフォロー後で悪化していた(P < 0.001)。
DEMMIは入院中に改善(P < 0.001)したが、入院後は変化なかった(P = 0.508)。
入院中に膝伸展筋力が大きく低下することは、安静時間、フレイルの増加、ベースラインの筋力、より低い炎症レベルと関連していた。
<考察>
今回の結果は、入院関連デコンディショニングのリスク因子の可能性に関するエビデンスを強化するものである。
・ケンブリッジ大学病院での単施設研究
・除外:がんの終末期医療を行っている、筋力検査を行えない、ICU入院、入院2週間前からベッドから椅子へ移乗していない。
・評価方法
膝伸展筋力:ハンドヘルドダイナモメーターを使用。
握力:座位、肘90度屈曲、前腕中間位で5秒間握った際の最大値
入院中の活動量測定:大腿と下腿に加速度計を装着。
・入院の原因疾患は、インフルエンザ肺炎、細菌感染、腎不全、外傷、慢性下気道感染など