Sex-specific prevalence and outcomes of frailty in critically ill patients
Journal of Intensive Care volume 8, Article number: 75 (2020)
<背景>
フレイルの予防は、入院した患者の短期的、長期的アウトカムにおける重要な因子である。
重症患者の研究で、男女で死亡率や臓器支援率が異なることが分かっている。
この研究の目的は、死亡率と臓器支援率が性別の違いやフレイル単独で説明できるか、もしくは、性別とフレイルの関係が重要なリスク因子であることを説明すること。
<方法>
後方視多施設観察研究。
2016-2017年にカナダの17のICUに入院した成人患者が対象。
入院時、専門家が Clinical Frailty Scale (CFS:1-9点、高いほうが重症)で全患者を評価。
CFSが評価できなかった患者やICU入院24時間以内に死亡した患者は除外。
フレイルの基準は、CFS5点以上。
アウトカムは、病院での死亡率、ICU死亡率、臓器支援率。
性別とフレイルの相互作用について、多変量Cox回帰もしくはロジスティック回帰分析を実施。
<結果>
15238人の患者がコホート対象。傾向スコアでマッチした11816人は除外。
女性は、男性よりフレイルの有病率が高く(32%vs27%)、フレイルのオッズ比も高かった(OR1.29)
しかし、女性は、人工呼吸が必要となる割合は低かった。(OR0.78)
性別とフレイルの相互作用は、臓器支援率の違いと関連していなかった。
透析と血管作用薬の処方は、入院死亡率やICU死亡率と同じように、フレイルと関連していたが、女性もしくは、性別とフレイルの相互作用とは関連していなかった。
<考察>
フレイルと性別は、個別に死亡率やICUでの臓器支援率と関連していたが、性別とフレイルの相互作用にほかのアウトカムよりも著明な違いはなかった。
・ICU入室前にフレイルがあった女性の割合は、男性よりも多かった
・女性は、CFSが高かった