2020/09/07

ILDにおける4m歩行速度の妥当性

The validity and reliability of four-meter gait speed test for stable interstitial lung disease patients: the prospective study

J Thorac Dis (IF: 2.046; Q2). 2020 Apr;12(4):1296-1304. 


<背景>
4m歩行速度は、高齢者やCOPD患者において簡単な機能評価である。しかし、間質性肺疾患患者でのデータは限られている。
今回、4m歩行速度と6MWTの関係を検討し、両者に身体的な因子があるかを検討した。

<方法>
4m歩行速度と6MWTを51人のILD患者で実施。
その他の評価はHR-QOL、筋力、骨格筋量、身体活動量

<結果>
35人が男性患者(68.6%)。34人がIPF(66.7%)
4m歩行速度と6MWDに高い相関(r=0.57; P<0.001)
多変量解析にて、4m歩行速度と6MWDと関連していたのは、mMRC。
さらに、6MWDは年齢、%DLCOと関係していた。

<考察>
4m歩行速度は、簡単にILD患者の身体機能を反映できる試験である。

・神戸市立医療センター中央市民病院で実施された前向き研究
・外来で通院している慢性期ILD患者51人が対象
・4m歩行速度と6MWTは同じ日に実施
・必要に応じて酸素吸入をしながら測定

・4m歩行速度の測定方法
加速、減速に1mずつ加えた6mの直線コースで測定。2回測定し、最速値を採用

・6MWTの測定方法
円周コースを6分間歩行。歩行前後のSPO2、mBorg scaleで息切れを聴取

・HRQOL:SGRQ、CAT、mMRC息切れスコアを評価。

・筋力:ハンドヘルドダイナモメーター(μ-tasF-1)で、大腿四頭筋力を測定。体重比で記録

・身体活動量:ライフコーダで1週間の歩数を記録。最初と最後の日を除いて、平均を算出。






 r=0.57; P<0.0001.